鳴かない蝉のそのヒグラシ |
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「よっこらせ……っと」
ズシン、と思い音を立てて、ガントルがヤトウモリの隣に腰を下ろす。 「……まぁ、一回進化しとるワシが言うのもなんだがのォ……お前さんの気持ちはよォ分かるわ」 「…………」 ヤトウモリは、無言でフィラの実をかじる。 隣にやってきたガントル、その進化条件は――他のトレーナーと、交換すること。 「主人殿がぼっちでさえなければ、ワシとてとっくのとうに進化しておったろォしの」 「……でしょうねぇ」 しれっとおやであるトレーナーをディスりつつ、ガントルは続ける。 「進化しなくとも強い奴は強い。進化できないからといって、諦めるな――と励ますのは簡単だがの」 どこにあるのか分からない口でため息を吐きつつ。 「お前さんは、強くなりたいんじゃなく、進化したかったんだもんのォ」 「……その通りでさぁ、ガントルのアニさん」 渋い口調で、ヤトウモリは呟く。 「強さなんてどうでもいいっつったら、上を目指してるご主人に申し訳がたたねぇけど……あっしは、まず進化したかったんでさぁ。その望みが、ああもあっさり絶たれるなんて思いもしなかったんでさぁね」 「心中はお察しするがの――だが、お前にはまだやることがある」 「やること?」 「ほれ――選別をくれてやる」 ガントルがころり、と自分へ転がしてきたどうぐを見て、ヤトウモリは混乱が覚めたかの如くぎょっとする。 「こ、これは――しんかのきせきじゃねぇですかい!?」 しんかのきせき。それは、進化前のポケモンに持たせると防御と特防が増す、珍しいアイテムだ。 「な、なんでこれをあっしに――こういうのは今持ってるガントルのアニさんみてぇな、三段階目前のポケモンが持つべきどうぐでしょうに」 「ワシは、このパーティを引退する。だから、その道具はもう必要ない」 「……っ!?」 今度こそ、ヤトウモリは声も出ないほど驚いた。ガントルは、悟ったような目で空を見上げる。 「考えてもみィ、ウチのパーティにゃいわタイプが二匹もおる――ワシが抜けても、ルガルガンがおる。あいつはバカだが、腕は立つ。いわならあいつ一匹おりゃァ十分だ。だが、お前さんは違う」 なぜなら―― 「どく・ほのおの2タイプ自体珍しいし、その2タイプを持ってるのもウチの面子じゃお前さん一匹のみ。パーティのバランスを考えれば、お前さんよりもワシが抜けるのが当然だろうて」 「…………」 ヤトウモリは、黙り込む。 「それに、特殊攻撃を主にしておるのも、ウチじゃァバタフリーとお前さんぐらい。お前さんに抜けられちゃァ色々と支障がでるだろうしのォ。この先のバトルはさらに激しくなる……お前さんの身にゃァ厳しいかもしれんが、そのしんかのきせきを持ってりゃあ多少はマシになるだろォしの」 「…………」 ヤトウモリは、なおも黙る――何かを考えているように。 「伝えたかったのはそれだけだからの。今夜はどれだけ凹んでも構わんが、早めの復帰を頼むぞ?」 「――いや、待ってくだせぇ」 重たい体を持ち上げ、その場に背を向けたガントルを呼び止め、彼の足元にしんかのきせきを転がした。 「これは、やっぱりガントルのアニさんが持っていてくだせぇ。そもそも防御力の低いあっしが持っていたって大して変わりゃしませんし」 「……言っただろォに、ワシにゃァこれはもう――」 「代わりに」 ガントルの言葉を遮って、ヤトウモリは一つの決意を胸に、言う。 「――一つだけ、あっしの決断と頼みごとを聞いちゃあいただけやせんかね」 (続く) はい、というわけでこんばんは、日暮晶です。 ポケモンサン・ムーンをやっている人にしか分からない、うっかりSS第3話。多分次で終わります。 所々文字を太くして遊んでみたりしてますが、これどうなんだろう。効果的なのやらどうなのやらって感じです。 最近ポケモンの話題しか出してないな……どうしたもんか。つっても、他に特に何やってるわけでもないんですが。 なんか話題に出来そうなことがあった気もしましたが、忘れたのでもういいです。 あとどうでもいいんですけどここのヤトウモリ、なんでこんな口調になっちゃったんだろう。ちょっとうさんくさい顔つきのせいかな。 あ、そう言えばスイレン人気に火が付いたと思しきアニポケの動画をニコ動で見ました。バルーン練習のときのアレとかが主な原因でしょうね。始めて見たときは脚本狙ってんじゃねえのかとちょっと笑いました。 では、本日はこのあたりで。
by akr-hgrs
| 2016-12-17 23:12
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